これまでマンガやアニメ、映画など様々なメディアミックスを展開してきた「ひぐらしのなく頃に」の最新DS版「ひぐらしのなく頃に絆 第二巻・想」が11月27日に発売されたばかりだが、その主題歌「プレイス・オブ・ピリオド」が12月3日に発売された。ここではその歌い手である諫山実生に新譜の手応えを訊いた。(取材・文/東 健太郎)
※ギャラクシーWEBだけに掲載されるスペシャルインタビュー!(誌面には掲載されません!)

心の声で詞を読み聞かすように歌った
——「プレイス・オブ・ピリオド」を聞かせていただきました。この曲は志倉(千代丸)さんの作詞作曲ということですが、今まで志倉さんの曲を歌ったことはあるんですか?
一度だけ。この前の「ARIA The ORIGINATION〜蒼い惑星のエルシエロ〜」っていうゲームのエンディングの「花ノ咲ク星」を歌わせてもらって、それが初めてだったんですけど。その時に今回(「プレイス・オブ・ピリオド」)のお話をいただいてやらせてもらいました。
——それでは、その「花ノ咲ク星」を最初に聴いたときはどんな印象でしたか?
私自身、作詞も作曲も(他の)人にやってもらうのが初めてだったんですよね。ある曲をカバーすることはあっても、新しく作ってもらって私が歌に徹するっていうのが初めてだったので……どうやって歌おうかなって難しかったですよね。歌だけでその世界を全て表現しなくてはいけないですし、志倉さんの想いも私の想いも全てを歌に込めなくては伝わらないので、この曲(「プレイス・オブ・ピリオド」)もそうですけど、すごい大変で。私が伝えられるものだったり、一番いい部分を出すにはどうしたらいいかなって思いましたけど、まぁ「プレイス・オブ・ピリオド」のお話をいただけるということは大丈夫だったのかな、っていう(笑)。
——この「プレイス・オブ・ピリオド」のようなアコースティックなバラードっぽいしっとりとした曲っていうのが、諫山さんの得意としているところですよね?
そうですね、割とバラードが多いですね。テンポが速い曲ってそうないので。でも、自分の曲じゃないっていう意味で、違う視点でというか私の違った一面を切り取ることができたなと思いました。
——「プレイス・オブ・ピリオド」を最初に聞いたときはどうでしたか?
今回の歌は前回にも増してかなりメッセージ性が強いので、どこに自分の気持ちを重ねようかなっていうところとか大変でした。ゲームも、第二巻のほうはその時はまだ手元になくて。一巻はあったんですけど。あとは漫画も「読んでみなくては」と思って読み漁って(笑)。逆に一生懸命詰め込みすぎて、形が自分にできちゃってて。自分の中にもうちょっと自由なところ作っておけばよかったなっていうくらい詰め込んじゃってたのがあって、そういう苦しみはありましたけど。でも結局お話とか読んだけれど、ほとんど反映されていないというか、それはそれとしてとりあえず飲み込んで、自分の一番想いを伝えたい部分を歌おうっていうふうにはしました。
——そうなると曲を実際に聴いて歌詞を見て、「こういうふうに歌おう」って構築していった感じですか?
そうですね。ゲームに関しては志倉さんとかのほうが絶対詳しいので、変にそっちに偏るよりかは私はこの歌のメッセージをよりたくさんの人が感じ取れるようなボーカルを考えました。
——それは具体的にはどんなところに表れていますか?
今回はわりと言葉を置くように歌っているつもりでいるんです。(声を)張るとか歌い上げるっていうんではなく、優しく歌うっていうか。なので、聴いてる人が自分と向き合えたりとか考えられる余白を作るじゃないですけど、ワーッと歌って畳み掛けるんじゃなくて、聴きながら考えられるような間を作りたいなって。言葉が多いながらに間を作りたいと思ってたんで、それが一番の難関でした。
——そういう作業の中で、「プレイス・オブ・ピリオド」を歌う上で諫山さんらしさというのはどういうところで出せたと思いますか?
なかなか難しい質問ですね、それは……。私は(歌詞の)「明日を信じるなら…」っていうここがすごく好きなんですよ。なので、ものすごく優しく歌ったつもりでいます。この部分にものすごいパワーを入れて歌ったと思います。
——その「パワー」というのは、声の大きさとか語気の強さとかではなく……。
そうです……信念みたいなものですよね。あと「生きる証になる」とか「命だと」っていうところとか、こういうキーワードの部分は強く歌っていると思います。「大切なもの、それは「命」だ」っていうことを、力強く歌っていると思います。細かく言ってしまうといたるところで気持ちを歌うっていう意味で、心の声で歌ったというか……。詞をちゃんと読み聞かすように歌ったつもりではいます。
——その意味で、ご自身が作った曲とは違うところで自信作になりましたか?
頑張りました。自信はまだないですけど……(笑)。とにかく頑張りました。とにかく心を込めて歌いましたので、そういうところを聴いてもらえると嬉しいですね。で、新しいところに飛び立てる第一歩の曲にしてもらいたい、というか。「プレイス・オブ・ピリオド」ってそういう意味があって、「ここが終わりの地」ではなくて「終わりの地でもあり始まりの場所」でもあるので。次のステップへ至るいいきっかけにこの曲がなってくれたらいいなって思います。
「信じる」というキーワードをちりばめた
——それでは次にカップリングの「半分だけの愛」についてお聞きしたいんですが、この曲は諫山さんの作詞作曲ということですが、これも「赤い糸DS」のイメージソングということですね。この話をもらったときはどう思いましたか?
「半分だけの愛」っていう曲はすでにあって、カップリングに入れるっていう話になったときに「赤い糸」のイメージソングのお話をいただいたんですよ。赤い糸って、例え赤い糸で結ばれていてもこんがらがっているときがあるんですよ。それは、お互いの「この赤い糸を大切にしよう」って思う心がなければほどけないもので。そういう意味で「半分だけの愛」は、「独りよがりな自分の気持ちだけでは、せっかく赤い糸で結ばれていたとしても報われないこともある」っていうことをこの歌から感じ取ってもらえれたらいいなっていう想いで作っているので、すごくマッチしていると思いますね。
——この曲自体はどのくらい昔にできた曲なんですか?
だいぶ前ですね。2年くらい前に初めて歌って、温めていた曲です。それから少し詞を書き換えたりはしました。「プレイス・オブ・ピリオド」もそうなんですけど、この曲もどちらもキーワードは「信じる」っていうことなんですよね。自分を信じることだったり、自分が愛した人を信じるとか、気持ちですよね。「信じる」っていうキーワードを今回はすごくちりばめたような気がします。両方の曲とも。
ジャケ写(ジャケット写真)の撮影もいろいろ大変だったんですよ。初めての飛行機との撮影で。
——ちなみに、どうして今回は飛行機だったんですか?
やっぱり「プレイス・オブ・ピリオド」だからです。ここが悲しみや苦しみの終わりの場所であり再出発の場所でありっていう意味では、飛行機が着陸したり飛び立ったりする飛行場はピッタリだなって。やっぱり電車とか車とか限りがあるものじゃなくて、空はどこまで行っても果てがない、そういうもっと大きいもの、道はどこにでも広がっているようなところに飛び立っていくんだっていう希望みたいなのが欲しかったんですよ。
——リリース後、クリスマスには池袋でライブがありますね。
そうなんです。クリスマス、私が暇だってことです(笑)。会場は重要文化財の木造の古い建物なんですけど、音響に関してはシビアと言うか結構難しい状況で、ピアノ一本じゃないと無理だなって。ただ、そのリスクがあってもやりたいって思える会場でした。その(会場の)空気だけで来てよかったとかやってよかったとか、思い出に残るものに絶対になるなっていうのは確信したので。そういう意味でスペシャルなライブになるので、是非来ていただきたいですね。
——スタッフさんに伺ったんですが、ライブではとてもピアノと仲良しらしいですね(笑)?
ケンカばっかりですよ(笑)。叩きますよ!
——(笑)相方さんみたいな感じですか?
そうですね。私が落ち込んでるときを見抜くんですよね、アイツは(笑)。「お前ビビってんだろ?」みたいな感じで、私のビビりが手から伝わるので向こう(ピアノ)も音を出さないんですよ。できるだけケンカのないようにしたいと思ってるんですけど……。
——それでは、最後に諫山さんの今後の目標なんかをお聞きしたいんですが?
私は、例えば「大きな会場で歌いたい」とかはあまりないんですよね。ただ、いくつになっても自分の伝えたいメッセージを歌っていられるシンガーソングライターでありたいですね。死ぬまで歌ってられたらいいなって。
——来年の目標は相方(ピアノ)とケンカをしないっていうのはどうでしょう(笑)?
そうですね。ま、しますけどね(笑)。有意義なケンカはいいけど、無駄なケンカはしたくないですね。でも、支えてくれるのもヤツ(ピアノ)ですからね。
【INFORMATON】
DS「ひぐらしのなく頃に絆 第二巻・想」主題歌
「プレイス・オブ・ピリオド」
c/w「半分だけの愛」


※両面ジャケット仕様
発売中 FVCG-1061
発売:5pb. 販売:メディアファクトリー
1,260yen(tax in)
諫山実生オフィシャルページ
http://www.isayamamio.com
